●「多摩川エコミュージアムプラン」の考え方
一Contents of "Tamagawa Ecomuseum Plan" 一
「多摩川は川崎市に残された責重な自然空間であり、また、市民の憩いの場、ふれあいの場でもあります。多摩川は唯一市域を沿って流れ、市域は多摩川によりつながりを保ってきました。江戸時代に多摩川の水を利用し農業用水として開削され、近代では工業用水にも利用された400年の歴史を持つ二ヶ領用水に代表されるように、川崎の発展に多摩川が果たした役割は大きく、川崎の産業、歴史、文化、自然は少なからず多摩川と関係を持ち、多摩川の恵みに育まれてきたといえます。
「多摩川エコミュージアムプラン」は、このような川崎の背景である多摩川に着目し、多摩川と密接な関係を持つ「水環境」や、水系の涵養に不可欠な「緑」、地域が育んできた「歴史と文化」、そしてこれらを支える人々など様々な資源を活用し、地域に暮らす市民と企業、そして行政が役割を分担し、それぞれが持てる機能を発揮しながら、地域に立脚し、地域から発信するまちづくりを目指しています。
この中核に市民活動があります。地域で様々に展開される市民活動は、携わる市民それぞれが地域の環境を考えるきっかけとなり、また、自らの力で地域の望ましい環境を創りあげる原動カとなります。
「多摩川エコミュージアムプラン」は、このように地域に住む市民自らが、活動の中からより良い快適環境を創りあげていこうとするものです。
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●まちづくりの目標
一The aim of community development一
「水と緑と歴史」そして「人」とのネットワークの形成
「多摩川エコミュージアムプラン」は、地域の自然・歴史・文化を再認識し、これら固有の資源・遺産を地域で守り、育み、継承していこうとする活動です。
さらに、このような活動から人々の新たな交流を育み、快適で豊かな生きいきと暮らせるまちづくりを地域から取り組んでいくことを目指しています。
このため、既に様々な市民活動が展開されている多摩川を中心とする「水系」、水系を支え本市を東西にネットワークする丘陵の「緑」、市内に点在する「歴史・文化的な資産・遺産」を重視し、これらを活かした市民・企業・行政のパートナーシップによりまちづくりを推進するものです。
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●「多摩川エコミュージアムプラン」イメージ像
一Image of "Tamagawa Ecomuseum Plan"一
以下の図は「多摩川エコミュージアムプラン」のイメージを概念図化したものです。様々な場所で様々な市民活動が行われ、これらの活動が相互に関係を持ち、全体として一つの目標に向かって活動することをイメージとしています。
緑地や河川などの「自然環境の保全活動」や、その「維持・管理活動」。「環境調査活動」や「歴史資源の調査やその維持管理」、「案内ルートの設定や散策イベント活動」、その他、これら資源を活かした「環境学習活動」や「地域のまちづくり活動」など、興味のある市民などが中心となって取り組む様々な活動とこれら活動のネットワーク化による、暮らしやすい地域の快適環境づくりの実現を図るものです。
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●「多摩川エコミュージアムプラン」の内容
■市民と行政のパートナーシップによる展開と保全・育成
・水・緑・歴史を活かしたまちづくりの推進
・市民による保全・育成・継承活動の推進
■地域による水系を活かした環境づくりの推進
・多摩丘陵の緑と河川の一体的な環境保全
・市民のネットワーク形成の推進
・多摩川がつなぐ市民活動の広域ネットワークの形成
■市民活動を中核とするプランの推進
・市民活動を相互に結び、多摩川へつながるネットワークの形成
・先導的な市民活動の支援・推進
■環境教育の実践と市民活動への支援
・二ヶ領せせらぎ館を中心とした様々な市民活動の推進と支援
■地域からの新たな展開
・多摩川から鶴見川水系への全市的な市民活動の連携
・新たな地域活動拠点の形成
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