かわさき多摩川シンポジウム

平成28年1月29日(金) 多摩市民館 3階 大会議室に於いて
「かわさき多摩川シンポジウム」が開催されました。


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テーマ 『知ろう河川防災−多摩川をまちの広場にー』
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「川の防災」について考えよう
もしも多摩川が決壊したら!
水害に対する備えは万全ですか?

〜防災情報の確認方法&水害時の避難方法
災害が起きる前に
防災キャンプで備えよう!


皆さんが熱心の聞いているシンポジウム会場




司会 多藝 義明  NPO法人 多摩川エコミュージアム理事
多摩川は暴れ川である。 川崎と東京に同じ地名があり、
川が氾濫して地区を分断した証明である。
昨年の鬼怒川の氾濫を含め、想定外のことが起こるので、
これからの話を聞いて防災に役立ててほしい。



18:00〜
オープニング(第1部) せせらぎ合奏団(ギタ−アンサンブル)
深代朋子さん&ギター・ウクレレアンサンブルの皆さんです
曲目
1.アニーローリー:スコットランド民謡
2.亜麻色の髪の乙女:すぎやまこういち作曲
3.愛のロマンス:禁じられた遊び主題歌(スペイン民謡)
4.ビヨン・ザ・リーフ:ジャック・ピットマン作曲

5.オブラディオブラダ:ビートルズ作曲




第2部 主催者あいさつ
齋藤 光正  NPO法人 多摩川エコミュージアム代表理事
鬼怒川の決壊後は、子どもからも「多摩川は大丈夫か?」と
聞かれるようになりまました。 関心が高まっています。
せせらぎ館は、多摩川の情報発信の拠点として自然環境だけでなく、
今後は防災情報も伝えていきたい。

来賓あいさつ
並木 努 多摩消防署長
消防は、火事と救急活動をしている
多摩川エコミュージアム・せせらぎ館とは縁が深く、多摩区出初式を
せせらぎ館近くの多摩川河川敷で行った。
川は一度暴れると非常に怖いが、普段は先ほどのギターアンサンブルの
ように穏やかである。
多摩川エコミュージアムには、多摩川の良さ、すばらしさをアピールする
だけでなく、防災の話もしていただき感謝している。


来賓紹介
・菊池さん  国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所 課長
・原島さん  多摩区観光協会顧問




  

第3部 基調講演
「多摩川における防災への取り組み」
中村 修也氏  国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所 建設専門官

基調講演の概要

 昨年9月の鬼怒川決壊・氾濫時の状況を説明され、被害状況や住宅周辺での浸水
状況などを説明された。
 その後の排水ポンプ車での大規模な浸水の排水などの復旧作業を行う様子なども
説明された。
 自治体が避難情報を出す基準の水位や、人が行動できなくなる水位などの基本
情報も説明された。
 地元のハザードマップの活用を呼びかけられた。

講演を聞いている来場者




第4部 2015年度の活動報告
升田 修二  NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理事

今年度の運営方針、せせらぎ館の展示風景、せせらぎ館での
行事内容、協賛事業等を説明しました。
ホームページを見て海外の団体からクリーンアップ(多摩川
清掃活動)に参加もありました。


多摩川エコミュージアム連携団体の受賞関連も報告しました。
(総務省ふるさと作り大賞、神奈川地球環境大賞)





第5部 パネルディスカッション
        <知ろう河川防災 ー多摩川をまちの広場にー>


コーディネーター
松井 隆一 NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理
松井さんから本日のテーマの趣旨説明があった。

 本日は「知ろう河川防災」のテーマで、来場者の皆さん
にも身近な問題(もしも多摩川が決壊したら、防災情報の
確認方法、水害時の避難方法)を、河川を管理する立場か
ら、危機管理の立場から、川崎市そして多摩区のそれぞれ
の立場から、地域の防災の観点から町内会から、最後に自
助共助の立場から、時間がない中で語っていただきます。


パネリスト
洪水ハザードマップについて 大雨による避難勧告について 避難所の開設について 自治会での防災対応について 防災キャンプで備えよう
増田 繁
(川崎市建設緑政局河川課 課長)
重松 純
(川崎市総務局危機管理室 担当課長)
野村 浩子
(多摩区役所危機管理担当 担当課長)
三竹 隆雄
(多摩区自主防災組織連絡協議会 会長)
田村 寛之
(TAMAGAWA CAMP実行委員)




☆増田さん

 「川崎市内の河川について」をスライドを使って説明されました。

 川崎市河川図、多摩区周辺、川崎市の河川、流域に関して説明されました。
 総合的な治水対策として、1)河道整備、2)流域対策、3)減災対策を話され、
 減災対策の洪水ハザードマップの見方を特に説明されました。
 ■多摩川に関しては1kmピッチで氾濫させてどんな浸水深さになっているかを
   シュミレーションして実施作成している。
  ハザードマップポータルサイトの周知と活用促進を進める。
  この夏には全国のデータを集めて家屋倒壊危険区域を公表できるようにしたい。


☆重松さん

 「川崎市の防災対策と洪水からの避難について」をスライドを使って説明されました。

 大地震に対する川崎市の取組や地震に関する川崎市の防災計画
 川崎市の主な訓練や広報、市民へ災害情報を伝える方法
 避難に関する情報の種類(避難準備情報、避難勧告、避難指示)
 指定河川(多摩川、鶴見川)洪水予報、 洪水からの避難の考え方
 などを説明されました。


☆野村さん


 昨年9月10日 常総市、鬼怒川氾濫で国全体がピリピリしている。
 多摩区も台風18号で土砂災害の避難指示が発令された。
 ・避難所を開設し15所帯が避難されて来たが、今回は大事に至らなかった。
  この種の避難は空振りであることが望ましく、避難指示はそれなりに
  適切と感じている。
 ・多摩区で洪水の引っかかる箇所は9か所ある。
 ・多摩区には避難所21か所、自衛防災組織が163ある。


☆三竹さん

 決壊しないことが大事だが「多摩川は絶対決壊しない」という考えは
 頭から捨ててほしい。
 身近な例では昭和49年狛江の堤防決壊し19戸流出という大きな被害が
 あった。 昨年9月の大雨の際は多摩丘陵地に大きな土砂崩れ、洪水があった。
 避難先として宿河原には稲田中、稲田小、宿河原小の体育館があるが、
 登戸にはその学校の体育館が多摩川より低いところにある。
 我々は町内会の人に協力してもらい体育館で避難訓練している。
 ・収容力は80〜90人かで、段ボールで仕切り、簡易トイレ、布での
  タンカの作りの訓練、体験をしている。
 ・避難先での狭さからくる2次被害(慣れない中での集団生活によるストレス)がある。
  2次被害を減らすには日頃から顔の見える付き合い、活動が大事である。
 ・1次災害は人間では避けられないが、2次被害は人間の力で何とかなる。
 ・自助共助公助の問題として、5日間は自分でやりきればそれ以降は国が助けてくれる。
  一番大切なのは隣組、近所の人の顔が見えれるようになること。
  親しくなると助け合おうという気持ちになる。
 ・小川が激流に化けるという事をよく聞く。
  その対策として現在、五反田川の水を多摩川に流そうとする工事が行われている。



☆田村さん

 会場の周りを見ると土砂・洪水災害ハザードマップにあふれている。
 私は「かわさきのさき」という一般社団法人を昨年登記して活動している。
 活動内容
  ゴミ拾い「グリーンバード」には大人、子供、若い人、高齢の人、企業の人、
  色々な人が参加しており、年間1,000人の人が集まり活動している。

 市民の方達が求めている「地域力」に応える活動など、「明るくにこやかに
 川崎の魅力」を発信している。
 顔と顔を覚えよう、人とつながろうという活動をして地域力を生かした多摩川の
 活用方法があり、
その1つが防災キャンプである。
 ・先日、せせらぎ館周辺の河川敷で行った「防災キャンプ」の動画を紹介した。
 
向こう三軒両隣、自分が生きたければ両隣りも助けなければならない。
 お母さんの力が必要、東北の女性が防災について発信している
 多摩川でみんなで手を取り合ってどんなことができるか、多摩川の活用方法考えよう。





パネルディスカッショを聞き入っている来場の皆さん





■松井コーディネーターのまとめ

皆さんに熱のある話していただきました。 時間がなくディスカッションまで
いきませんでしたが、貴重な話しを皆さんに聞いていただきました。



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コーディネーター
 
松井 隆一(まつい りゅういち
 
NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理事
各パネリスト
増田 繁氏(ますだ しげる)
 川崎市建設緑政局道路河川整備部河川課 課長
重松 純氏(しげまつ じゅん)
 川崎市総務局危機管理室 初動対策 担当課長)
野村 浩子氏(のむら ひろこ)
 多摩区役所危機管理担当 担当課長
三竹 隆雄氏(みたけ たかお)
 多摩区自主防災組織連絡協議会 会長
)
 多摩区町会連合会会長、宿河原町会会長、稲田多摩川町会会長、多摩区観光協会理事
田村 寛之氏(たむら ひろゆき)
 TAMAGAWA CAMP実行委員
 2015年に川崎の未来を見据えた事業を継続的に運営していく法人「一般社団法人
カワサキノサキ」を設立。 地元の生産者を応援する「農園フェス」、JRとタイアップした
「武蔵小杉マルシェ」、地域メディアの「川崎経済新聞」、ゴミ拾いボランティア「グリーン
バード川崎」を立ち上げるなどして様々なソーシャル活動をプロデュースしている




閉会挨拶
松井 隆一 NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理
今日の話しにたくさんな生活のヒントがあったと思います。
色々な場で議論していただきたい。
多摩川をとおしていろいろなことができればと考えています。




◎受付
会場に来られた皆さんに「多摩川大発見」またはポケット図鑑
「多摩川の野草100選」を進呈しました


◎会場内展示
法人
会場内に「昨年9月 関東・東北豪雨の記録」、「多摩川のハザードマップ」、
「NPO法人 多摩エコミュージアムの活動内容」等を展示しました。

来場者に見ていただきました




◎「かわさき多摩川シンポジウム」が新聞に掲載されました
掲載新聞:神奈川新聞 2016年1月31日(日) 17面地域版





主催: NPO法人 多摩川エコミュージアム
後援 国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所
川崎市建設緑政局