かわさき多摩川シンポジウム2016

平成29年2月8日(水) 多摩市民館 3階 大会議室に於いて
「かわさき多摩川シンポジウム2016」が開催されました。


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〜〜〜多摩川をまちのひろばに〜〜〜
テーマ 『知ろう河川防災』
Part2

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「川の防災」について考えよう
もしも多摩川が決壊したら!
水害に対する備えは万全ですか?

〜防災情報の確認方法&水害時の避難方法
避難勧告が出たらどこに逃げる?
災害が起きる前に
防災キャンプで備えよう!


皆さんが熱心に聞いているシンポジウム会場

昨年を上回る100名を超える多摩区をはじめ川崎市民の方々が
参加されました。
又、関東近県からの参加者も来られてました。




司会 多藝 義明  NPO法人 多摩川エコミュージアム理事
この一年、災害が多発しています。いつどこで災害が起こるのか
分からない。多摩川も同じです。知っているのと知らないのでは
大きな違いです。本日は、色々な情報・知識を得て持ち帰って
防災に役立ていただきたい。




18:00〜
第1部 主催者あいさつ
齋藤 光正  NPO法人 多摩川エコミュージアム代表理事
「堤防が出来て100年、桜が80年」桜は見ごろを迎えつつあります。
川崎市はいまとみに防災面に力を入れています。先日、中学生た
ちが来館して「多摩川の堤防はいつできたのか?災害はなかった
のか?」と質問を受けました。私は、400年前は向ヶ丘遊園寄りに
流れていた多摩川が水害で500mも中央側に押し流されて現在の
ような流れになった歴史からして「多摩川は400〜500年先かいつ
か分からないが『大洪水は必ず起こる』と言う前提で、せせらぎ館
では小学生の防災教育を実施しています。




  

第2部 基調講演
「多摩川における防災への取り組み」
齊藤 松美氏  国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所 建設専門官

基調講演の概要

「多摩川における防災への取り組み」をスライドを使って説明されました。
1)近年における出水と水防法改正について
2)洪水浸水想定区域図の見直しについて
  (避難への活用)
3)水防災意識社会の再構築ビジョンについて
4)洪水防災情報の提供について

 過去からの多摩川の洪水の発生事例を紐解きながら現在の多摩川の状況、
そしてこれからの多摩川の洪水のリスクをどうしようとしているのかをハード、
ソフトの両面から具体的に説明していただきました。
講演を聞いている来場者




第3部 2016年度の活動報告
升田 修二  NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理事
年間を通して「多摩川をまちのひろば」にという想いで活動を
展開している。来年度の「エコ★カップいかだ下り」は第10回
目の記念の節目を迎える。磨けば光る多摩事業で昨年に続
いて「せせらぎ館夏休み体験教室」は22講座30教室を開催
した。その他に、今年度の運営方針、せせらぎ館の展示風
景、せせらぎ館での行事内容、協賛事業等を説明しました。


多摩川エコミュージアム連携団体の受賞関連も報告しました。




第4部 パネルディスカッション
        <知ろう河川防災 〜多摩川をまちの広場に〜>


コーディネーター
松井 隆一 NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理
松井コーディネーターから本日のテーマの趣旨説明があった。

本日は「知ろう河川防災」のテーマで、これから、先ほどの
国交省の齊藤建設専門官の基調講演を受けて、川崎市として
の各専門の行政機関のそれぞれの立場から、その具体的な行
動指針、内容を話していただくことによって「なるほどこう
すればいいのか」と来場者にその情報の活用の仕方を学んで
いただきたい。
昨年は、それぞれ専門の立場から結果としてかなり入れ込んだ
情報提供の場となってしまいパネル討論の時間がなかったが、
今年はそれぞれのプレゼンテーションは5分と制限させていた
だき、その後は、相互のパネリスト、又講師の齊藤さんを加え
たパネルディスカッションをしていただきたい。



パネリスト
洪水ハザードマップについて 大雨による避難勧告について 避難所の管理運営について 自治会での防災対応について 防災キャンプTAMAGAWA CAMP活動報告
齊藤 松美
国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所 建設専門官)
田之倉 誠
(川崎市建設緑政局道路河川整備部河川課 課長)
田邊 浩太
(川崎市総務企画局危機管理室初動対策 担当課長)
田中 仁志
(川崎市多摩区役所危機管理 担当課長)
末吉 一夫
(多摩区町会連合会 会長、
多摩区自主防災組織連絡協議会 会長)
西山 雅也
(トカイナカ事務局長、TAMAGAWA CAMP実行委員会)





☆齊藤さん

 会場から基調講演の中でも「洪水浸水地域想定区域」の設定について
多くの関心が集まり、その区域に指定された住民から「その非常時には
どうすればよいのか」との質問に対してハード、ソフト面から説明をされた。




☆田之倉さん

「洪水ハザードマップについて」をスライドを使って説明された。

 従来の洪水のハザードマップを一歩進めた「洪水浸水想定地域図」を
作成しつつあり、行政のホームページにアクセスすれば、今での自分の
住まい近くの多摩川がもし決壊したら洪水被害が時間経過でどうなるの
かを見ることができる。又、来年には改訂版として市民にリーフレットとし
て活用してもらえる話がありました。





☆田邊さん

「洪水からの避難について」をスライドを使って説明されました。

・避難に関する情報の種類
・避難勧告の発令基準
・指定河川予報(多摩川・鶴見川)
・市民へ災害情報を伝える方法




☆田中さん

「水害時の避難所の開設・運営について」をスライドを使って説明されました。

 現在の指定されている避難所の多くが小中学校の体育館である。
その多くが大洪水下では水浸しになってしまう。より高い校舎の活用
が望まれるが区役所の権限が及ばないところがある。特に多摩川の
洪水決壊を想定した避難所の確保は待ったなしの課題だと言う極め
て歯切れの良い熱い想いの話には、会場からは熱い視線が注がれ
ていました。




☆末吉さん

「多摩区の自主防災について」をスライドを使って説明されました。

行政の施策と合わせて自分の命は自分で守る観点から、日頃の
地域住民の備えと行政とが一緒になった対策の必要性をアピール
された。




☆西山さん

「防災キャンプTAMAGAWA CAMP活動報告(楽しみながら備える)」を
スライドを使って説明されました。

これまで各地で行われた実績紹介を兼ねて防災キャンプの意義と必要性
について強調された。




パネルディスカッションを聞き入っている来場の皆さん

会場からは活発な質問があり、「自分の住まいがまさに洪水浸水想定地域
に合致するがどうしたらいいのか」をはじめ5人程の来場者から切実な問
題がディスカッション講師陣に投げかけられ意見交換が行われました。




■松井コーディネーターのまとめ

本日は講師、パネリスト陣の最新情報の情報提供とそれを受けての具体的に
どうあるべきかの討論があり、時間が足りないくらいで有意義であったと思います。
あとは皆さんがこれらの情報・内容をどう活用されるかにかかってきます。
又、来年もこれらの課題を掘り下げられるよう開催したいと思います。
本日はありがとうございました。


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コーディネーター
 松井 隆一(まつい りゅういち
 
NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理事
各パネリスト
 齊藤 松美(さいとう まつみ)
 (国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所 建設専門官)
 田之倉 誠(たのくら まこと)
 (川崎市建設緑政局道路河川整備部河川課 課長)
 田邊 浩太(たなべ こうた)
 (川崎市総務企画局危機管理室初動対策 担当課長)
 田中 仁志(たなか ひとし)
 (川崎市多摩区役所危機管理 担当課長)
 末吉 一夫(すえよし かずお)
 (多摩区町会連合会 会長、多摩区自主防災組織連絡協議会 会長)
 西山 雅也氏(にしやま まさや)
 (トカイナカ事務局長、TAMAGAWA CAMP実行委員会



閉会挨拶
松井 隆一 NPO法人 多摩川エコミュージアム副代表理




◎受付
会場に来られた皆さんに川崎市のご厚意で用意した「災害非常食」を
お持ち帰りいただきました。




◎会場内展示
会場内の両側に「防災マップ」や「防災に関する冊子」が配架され、来場者の
関心を集めました。
会場内に「NPO法人 多摩エコミュージアムの活動内容」等も展示しました。
来場者に見ていただきました。




主催: NPO法人 多摩川エコミュージアム
後援: 国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所
川崎市