日時:2024年6月1日(土)
活動場所:せせらぎ池
人数:58名(うち高校生8名、スタッフ7名)
<今回の活動>
アイオオアカウキクサ(551.3kg)、アレチウリ(2.9kg)、オオカワヂシャ(1.0kg)、ヤナギ類(32.8kg)
オオフサモ(3.2kg)、オオキンケイギク(0.2kg) 計591.4kg 防除
毎月第一土曜日に登戸せせらぎ館にて実施している外来植物の防除活動は今年度からは東急財団の助成金も得たことにより、さらに活動範囲を広げていっています。
初夏に差し掛かり、参加者たちの体力を奪うような日差しの中、今回は今までで1番多くの方々にご協力いただきました。
人数が多かったため、5つの班に分け、覚えやすいように魚班、虫班、鳥班、周遊班、ヤナギ班と名付けました。
そして、それぞれの班ごとに防除するエリアを区分けして作業を行いました。
魚班、虫班、鳥班はアイオオアカウキクサの防除を担当、アイオオアカウキクサは合計551.255kg。
■魚班
今回から新たに、穴あきバケツと横長の引き網を導入し、以前よりも大幅に効率的な防除を行うことができました。
しかし、効率的になったとはいえ、池一面を覆うウキクサの防除は本当に途方もない作業です。
約10名で1時間弱作業しましたがほとんど変化が見られず、継続してウキクサの防除と向き合う必要があると強く感じました。
■虫班
虫班だけ最初は、下流側の方で活動していたのですが、「上流側がヤバい」という情報を聞き、即座に移動して魚班と合流して活動するという形になりました。
上流側はウキクサが繁茂しすぎた結果、分厚い層のような状態となっており、いくら取っても全く減っているように感じられない程の物量がありました。
そんな状況でも各自できるところまではしようという考えのもと、時間ギリギリまで防除活動をおこないました。
■鳥班
水深の深いエリアを担当しました。
水中と陸上に別れて同じく穴あきバケツや引き網に続き、今回も流木や池の中にある竹、水中を流れる枯れ枝などを利用し、四苦八苦しながら防除しました。
しかし人の足が届かない所や人が入りきれないエリアが広すぎるため、次から次へと流れてくるウキクサを今後どうやって防除していくか考えながら、時には水面を移動するアメンボやイトトンボを観察し、カワセミの声に耳を傾け、和気あいあいとした雰囲気で作業を終えました。
■周遊班
オオカワヂシャ(Veronica anagallis-aquatica)0.99kg
せせらぎ池には準絶滅危惧(NT・環境省レッドリスト)のカワヂシャ(Veronica undulata)が生き残っています。
オオカワヂシャは在来種のカワヂシャ(Veronica undulata)と交雑し、雑種個体ホナガカワヂシャを作ることが問題となっています。雑種個体ホナガカワヂシャとの見分けが難しいため、確実にオオカワジシャであると同定できる個体のみ抜き取りを行い、交雑対策をしました。
アレチウリ(Sicyos angulatus)2.87kg
昨年6月は48kg防除したアレチウリですが、今年6月の防除量は2.87kgでした。
1年間の活動によって、せせらぎ池周辺ではアレチウリの個体数は減少しています。
防除活動の効果、手ごたえを感じています。
通常は9月以降に種子をつけるのですが、今回は種子をつけている個体を発見しました。
なかなか気が抜けません、。
オオフサモ(Myriophyllum aquaticum)3.2kg
オオフサモは切れ藻などで簡単に殖えるため、根を辿って抜き取りをしました。
アクアリウムなどで観賞用に利用されてきたオオフサモですが、ご自宅の水槽の水を河川に流さないようにお願いいたします。
■ヤナギ班 32.8kg/140本
先月に続き、ヤナギは同定が難しく種名は不明です。
幼木が密生していたこのエリアは、ほぼ抜き終わり、かなり大きくなったヤナギも邪魔な枝を切り落としました。
来月は他の場所でのヤナギ防除が必要かどうか検討します。
続いてボランティアリーダーによるせせらぎ池周辺に生息する生き物についての話のレポートです。
今回はカイツブリ(Tachybaptus ruficollis)という野鳥にフォーカスをあてました。
カイツブリは小型の水鳥で本州では留鳥。普段は小さなタナゴやフナなどを食べています。
せせらぎ池で繁殖が成功し、5羽が孵りました。
残念ながらカイツブリにとってもエサになる生き物にとってもウキクサが繁茂するせせらぎ池では生活しづらいと考えられるので、いつ居なくなってしまうかわかりません。
今後も地道に防除を続けていく事が大切です。
これから気温が高くなるにつれて作業がどんどん大変なものになっていくと思います。
決して無理はしないよう、周りの方々と連携をとり、せせらぎ池を中心に自然と人がつながるコミュニティにしていきたいと思います。
作業の様子