サシバの里自然学校

どうも、保全チームのカジキです!
12/14に、栃木県市貝町にある「サシバの里自然学校」に伺い、「子ども生きもの塾」に参加したので、報告します。

「サシバの里自然学校」は、サシバの繁殖地として有名な栃木県市貝町にあります。
市貝町には、谷津田という山間の地形を利用した田んぼが数多く存在し、サシバは山地の森林に巣を作り、田んぼに生息するカエルなどを利用して生活しています。
サシバの里自然学校では、そんな谷津田における米作りや、農業・自然体験活動等を通して、サシバや生き物たちが暮らしていける里山づくりの活動が行われています。

↑道の駅サシバの里いちかいにて。町をあげてサシバの保全を打ち出しているのは本当に素敵です。

サシバの里自然学校の運営母体は「NPO法人オオタカ保護基金」というNPOで、約30年間にわたり、オオタカをはじめワシやタカの調査研究や保全活動を実施されています。
せせらぎ池生物多様性保全活動は今年で2年目。今回は、そんな大先輩が地域の子ども向けに提供する自然体験&野遊びイベント、「子ども生きもの塾」に参加してきました。

午前中は、里山にて冬眠する生き物探しを体験しました。
冬の生き物たちは、倒れた木の隙間や落ち葉の奥などにじっと隠れて春を待っています。
今回は、子どもたちと一緒に釘抜きを片手に、あらかじめ切り倒してあった材木を割って、材木の隙間に隠れる生き物を探しました。
材木は生き物の大切な住処なので、普段はなかなか割ることができません。
そのため、子どもたちと一緒に、まさしく童心に帰って、貴重な体験を全力で楽しみました。
材木からは、キマワリというゴミムシの仲間の成虫と幼虫、たくさんのトビズムカデやヤスデの仲間、そしてアリの仲間の群れが見られるなど、たくさんの生き物たちと出会うことが出来ました。

お昼はお母さんの手作りランチと合わせて、谷津田にいたアメリカザリガニとタニシをいただきました。
谷津田の保全の一環でアメリカザリガニの防除を行っていて、今回は立派なボイルザリガニとなって提供されました。
子どもたちが物怖じせずザリガニやタニシを口に運び、口々に美味しいと言っている姿はとても印象的でした。まさに英才教育ですね。

午後は、田んぼのガサガサやターザンロープ、焚火や穴掘りなど、生き物に限らず様々な野遊びが用意され、子どもたちは思い思いの遊び方で、里山のフィールドを満喫していました。
久々に子どもたちと全力で遊んでめちゃくちゃ疲れましたが、子どもたちが、自分なりに創意工夫を凝らして自然を楽しんでいる姿が本当に印象的でした。
豊かな自然があるからこそできる体験の魅力だと思います。

また、田んぼのガサガサでは、希少な生き物も含め、自然学校にいる様々な生き物を紹介していただきました。
ガサガサ中に捕獲した外来生物アメリカザリガニやウシガエルは、個体数をカウントしながら防除していました。
子どもと遊んでいると忘れがちですが、こうした細かな対応から、生き物を守るための保全活動のフィールドであることを実感させられます。

最後に子どもたちとおやつを食べ、満足げな子供たちを見送って全日程が終了。
大人から見ても、内容は盛りだくさん。あっという間に時間が過ぎる、非常に充実した一日となりました。

冬だったためサシバに出会うことはできませんでしたが、子どもたちが生き物や自然との触れ合いを堪能する姿を見て、保全活動が行われる場所自体の価値を、改めて感じることが出来ました。
今回は体験がメインだったので、今度はサシバが見られる季節に伺って、保全について色々お話しできればと思っています。
改めて、サシバの里自然学校の皆様、本当にありがとうございました。

せせらぎ池生物多様性保全活動でも、もちろん保全活動はしっかりと行いますが、せせらぎ池という環境を、参加されるボランティアの方々、そして地域の方々と一緒に、もっともっと楽しんでいけるといいですね。

(担当:カジキ)

〇サシバの里自然学校(施設案内HP
所在地:〒321-3423栃木県芳賀郡市貝町市塙720
営業時間:9:00〜18:00
​※外出していることが多いためご見学希望の際はあらかじめご連絡をお願いします。
電話番号:0285-81-7754
メールアドレス:sashiba.natureschool@gmail.com