日時:2024年4月6日(土)
活動場所:せせらぎ池
人数:ボランティア22名+スタッフ9名

<今回の活動>
ニシノオオアカウキクサ(Azolla filiculoides) 151.3kg 防除
②土壌シードバンク

2023年度、外来種防除を中心に活動してきた生物多様性保全活動ですが、今年度からは東急財団の助成金を取得し、活動内容を拡大して、せせらぎ池の生物多様性保全を目指していきます。

4月は、ニシノオオアカウキクサ(Azolla filiculoides)の防除と、土壌シードバンク採集を実施しました。

先月に引き続き、せせらぎ池の水面を覆うニシノオオアカウキクサ(Azolla filiculoides)の防除を行いました。
ニシノオオウキクサは一つ一つが軽くて小さくても、防除する作業は重労働になります。水面を流れて隙間に入り込むと簡単には取り切れません。
参加者は胴長を履いてせせらぎ池に入り、ニシノオオアカウキクサを集める人、それを袋に詰める人、リヤカーまで運ぶ人で分担し、リレー作業で防除しました。

次第に暖かくなる中、水鳥が営巣を始め、様々な植物が成長するなど、生き物の活動が活発になっています。
今回の防除によって、色々な種類の生き物にやさしいせせらぎ池になることを願っています。

また、土壌シードバンクの採集を行いました。
土壌シードバンクとは、土壌の中に眠っている植物の種子たちのことを指します。
この活動では、せせらぎ館周辺の土壌を採集し、眠っている種子を育てることで、多摩川の土壌中に、どのような植物の種子が存在するのかを確かめる、簡単な実験を行います。
採集した土壌は、せせらぎ館の敷地内で育てるほか、ボランティア参加者自身が土壌を持ち帰り、自宅で育てます。

今回の活動では、せせらぎ館周辺の土壌を採集しました。
1箇所目はせせらぎ館周辺の私有地。地主の方に許可を取り、地中約80cmまでの土壌を掘りました。
硬い層や石の混ざる土を掘り進めるのはかなりの重労働です。
採集した土壌は、掘ったポイント2箇所で区別し、それをさらに深さ20cm毎に区別して、サンプル化します。

2箇所目は、せせらぎ池周辺。
川沿いの土地で護岸としての機能を考慮し、表層の土壌のみ採集します。
川岸、池周辺、湿地帯等、異なる環境から土壌を採集して、サンプル化します。
10名以上のボランティアの方が、それぞれのサンプルから、育てたい土壌を選んで持ち帰りました。これからどんな植物が生えてくるのか、楽しみです。
今後、このブログでも生えてきた植物の報告ができるかもしれないので、乞うご期待ください。

なお、今回は地元の県立多摩高校の生物部の皆様が参加してくれました。これからも、地元の皆様と一緒に、せせらぎ池周辺の環境について、楽しみながら考えていける活動を目指していきます。

※ニシノオオアカウキクサ(Azolla filiculoides)は外来生物法の規制の対象ではありませんが、同種のアメリカアカウキクサ(Azolla cristata)は特定外来生物に指定されています。
特定外来生物アメリカアカウキクサ(Azolla cristata)×ニシノオオアカウキクサ(Azolla filiculoides)の交雑種も報告されていることと、絶滅危惧種の在来種アカウキクサ(Azolla imbricata)やオオアカウキクサ(Azolla japonica)と競合し、影響がある可能性があるため、せせらぎ池はニシノオオアカウキクサ(Azolla filiculoides)を防除することとしました。

防除作業前
防除作業後
防除作業前
防除作業後

作業の様子