日時:2025年3月1日(土)
活動場所:せせらぎ池
人数:27名

心地よく野外活動ができる季節。
3月もたくさんの人が参加し、実験をして、ビオトープについて学び、ボードゲームで遊び、BBQで交流会と盛りだくさんの1日となりました。

<今回の活動>
〇防除活動:ヤナギ枯葉・アイオオアカウキクサ(19.58kg)、ウチワゼニクサ(13.61kg) 計33.19kg
〇「地球冷却微生物を探せ!」実験(東北大学)
〇「ビオトープをつくろう!」ボードゲームで環境教育
〇バーベキュー交流会

■防除活動
〇せせらぎ池班
現在のせせらぎ池は気温・水温ともに低く、昨年問題になったアイオオアカウキクサや、逸出が問題になるホテイアオイ等はほとんど目立ちませんでした。
しかしながら、細かなアシやヨシ、ヤナギの枯葉に混ざってウキクサが散見されるなど、適切な条件が揃えば昨年と同様に急増する可能性もあります。そのため、今回も取り残しがないよう、できるだけ多くのウキクサを回収しました。
作業の中ではスジエビやモロコの仲間も見つかりました。一方でアメリカザリガニやウシガエルの幼生など、問題のある外来生物も網に入ったことから、地域環境の多様性を守るためには防除も含めた継続的な保全活動が欠かせないことを実感しました。

〇ウチワゼニクサ班
先月から開始したウチワゼニクサの防除を、今月も担当しました。
ウチワゼニクサは抽水でも湿った陸地でも生きることができ、せせらぎ池周辺では、多摩川の川べりに生息しています。
水辺に生える特性を生かして、ウォーターマッシュルームという名でアクアリウムでも栽培されます。

丈夫で力強い生き物なので、人の手で自然に放たれると非常に厄介。
せせらぎ池周辺では、地下茎を伸ばして川べり一帯を覆い尽くすほどに成長しています。
今回の防除では、スコップや熊手を活用して、護岸のための蛇籠の間から、皆で川べりにしゃがみ込みながら、黙々とウチワゼニクサを引きずり出しては泥を落とし続けました。
本当に単調な作業で、参加者も皆、「今回は地味ですね…(笑)」と口をそろえて言っていましたが、終わる頃にはウチワゼニクサに覆われていない川べりが少し生まれたので、今後、どんな植物が生えてくるのかが楽しみです。

■「地球冷却微生物を探せ!」実験(東北大学)
〇地球外冷却生物について
地球温暖化は生態系の破壊や自然災害の発生を引き起こし、私たちの生活に大きな悪影響を及ぼします。温暖化の主な原因は、人間活動によって排出されるCO2(二酸化炭素)などの温室効果ガスです。中でもN2O(一酸化二窒素)は同じ体積で比較するとCO2の約300倍の温室効果をもたらす気体で、排出の削減が急務です。
土の中には様々な種類のN2O発生微生物が生息していますが、土の中にはN2Oを消去できる微生物もわずかながらに存在します。その中でもより高いN2O消去能力をもった微生物を探し出し、地球冷却微生物として利用し、将来的に地球温暖化の抑止に貢献します。
「ひとすくいの土が、地球温暖化を止めるかも知れません」

研究にご興味のある方はこちらをご参照ください。
Cool Earthラボ | dSOILプロジェクト

〇実験の感想
今月は土壌冷却微生物の調査も平行しておこないました。土壌冷却微生物とは、土中に存在する、温室効果ガスの原因物質を分解する微小な生物のことを指します。この実験は主に、土壌内に存在している微生物を採取しそれで得られたサンプルを研究室で調べてもらう形になります。
ちなみに、こういった市民でおこなう実験のことを「シチズンサイエンス」といいます。
今回は二ヶ領せせらぎ館及びせせらぎ池周囲で四地点を設定し、そこで活動をしていきました。場所により温度や土質がまったく異なるため、いくつかのポイントを選定して比較をするためです。土中を掘り進める以上岩にぶつかることも多々ありましたが、うまく避けて無事にサンプルを得ることができました。
現在は画像と筆記データを送信し、結果待ちをしている状況です。
(飯田)

■「ビオトープをつくろう!」ボードゲームで環境教育
近年話題になっているビオトープ。ビオトープとは、“生きものが暮らす場所”という意味の造語です。
ネイチャーポジティブが社会目標となった現代社会において、たくさんの豊かなビオトープ(生きものが暮らす場所)が作られることは、我々の生活においてもとても大切なことです。
このボードゲームでは、そんなビオトープを構成する大切な要素、生きものごとに異なる環境の好みや生きもの同士の繋がり、そして生きものの種類が多く、その繋がりが強固なほど環境が安定するということを学べます。
刻々と変化する自然の中で、人が手を入れ、たくさんの生きものが豊かに暮らせる環境を作り出す楽しさを再現したボードゲームで、楽しみながら生きものと自然について学びました。

やっぱり楽しんで学ぶことが一番の環境教育。
多くの生きものが暮らすビオトープを作れた班もあれば、変化する環境に振り回されて、あんまり良い環境を作れなかった所もあったようですが、最後にはみんな楽しい!と言ってくれて、ボドゲ会は大成功でした!
(野間)

■バーベキュー交流会

■保全活動の声
今日は3月の第一土曜日という事で保全活動に参加し、池のいきもの調査後は「ビオトープをつくろう!」というボードゲームをやりました。ゲームを楽しみながらビオトープについて学ぶ事が出来きました。保全活動だけではなく、色んな企画があり、保全活動自体も一緒に参加する方々のおかげで毎回楽しいです。
(いけだ)

■せせらぎ池の生きもの
生きものギャラリーにて、せせらぎ池周辺で撮影した生きものの写真を随時更新中です!

■2025年4月5日㈯の活動について
4月は防除活動後に、生田緑地の川崎市緑化フェアに出展します。
みなさん遊びにいらしてください。
第41回 全国都市緑化かわさきフェア

■4月5日(土)の活動について
詳細はTOPページをご覧ください!