第22回多摩川流域セミナー

平成18年6月24日(土) 集合:多摩川大橋下(世田谷側)10時
生まれ変わる多摩川を歩く〜「西六郷・土手の昔と今」

パート1,現地見学

集合@→A→B→C→Dの順でふだん見えない、西六郷地域の水害や治水の歴史を現地に足を運んで学びました。


                  現在の堤防は何時出来たか(多摩川堤防の歴史)
◆竣工まで15年余りの多摩川下流改修工事
*1918年(大正7年)度着工〜1934年(昭和9年)3月竣工:国庫費半額負担による直轄事業 総額588万円
*河口から約22Km:「右岸=神奈川県橘郡高津村久地」「左岸=東京府北多摩郡砧村宇奈根
*内務省東京土木出張編『多摩川改修工事概要』
  (1935年=昭和10年)=土地買収、浚渫・掘削、築提・護岸工事、付帯工事など列記
*沿岸低地の耕地整理事業を蝕発(掘削剰余土の利用)→流域都市化を促進

◆改修工事の繰上げを導いた多摩川築提運動
*アミガサ事件「1914=大正3年9月16日」・・・今年90周年、右岸住民チョンボリガサ(アミガサ)をつけ神奈川県庁
  へ陳情(数百名)・・・全国へ報道(14紙)されるビックニュースでした
*村ぐるみ、地域ぐるみ運動として展開された
*国の第2期工事(45河川)から繰り上げを実現した
  

近世の矢口の渡し跡・・両岸共古市場村だったので
*古市場の渡しもいわれた作場渡し。
  *神霊矢口の渡し:新田義興謀殺の渡し
多摩川大橋:長さ435m・・昭和11年起工、戦争で中断16年完成の基礎に木橋→昭和22年開通

         緊急船着場構築
大規模地震などの災害発生時に東京、神奈川県の
復旧活動に必要な救援物資の運搬や堤防及び護岸
復旧資材の荷揚げのために作られた。
*大田区多摩川2丁目緊急船着場(左岸8,4km)
150m、4バース・500トン台船(H10年完成・・↓写真
*川崎幸町2丁目緊急船着場(右岸6,5km)80m、
2バース500トン台船(H11年完成)写真の略対岸
             スーパー堤防
◆高規格堤防:大洪水に備え、堤防の高さの30倍の
幅を持つ傾斜堤防を、両岸に築いていく計画、既に
稲毛市大丸地区や、ここ多摩川2丁目地区に完成した
◆多摩川2丁目のスーパー堤防 
幅70m高さ6m、長さ800m。
この場所は旧国鉄矢口発電所跡地→昭和電工総合グランドの変わった。
スパー堤防に立ち並ぶマンショウ
堤防上を流水しても、堤防が決壊しない、安心です。

公園・マンション・学校等が建てられ、洪水防止と土地の有効利用がされている
姿を消した伝統治水工法の水制

◆干潮どきに姿を見せる水制
*どこに・・大田区西六郷二丁目の川岸に四ヶ所確認
*トミンタワーと古川薬師(銀杏の巨木)その中間
*ここはどんな場所→大きく蛇行する多摩川、曲流する河水が川岸に激突する

◆近代築提(河川改修工事)に伝統工法を併用
*枠類、牛類などの水制工法

◇治水の史跡・・・復元水制遺構=ガイドパネル新設

パート2 午後の部 討論会